小さな出来事の積み重ねを語るブログ

2010年5月16日日曜日

ギリシアショック後のユーロの動向













上の図はユーロのレート(円)の10年の推移を示したものである。

ギリシア危機の影響でユーロのイメージはガラッと変わった。
ユーロを創設した関係者もこの事態を想定しなかったはずだ。
どうしてこのようなことが起きてしまったのか。

ユーロとはもともと、ドルに対抗する基軸通貨として生みだされた。
ヨーロッパ諸国で使えれば通貨として安心するし、旅行のときも両替の手間がかからない。
また市場の障壁がなくなるので、経済活動が拡大される。
統一通貨という勢力は、当時として飛ぶ鳥を落とす勢いだった。
あまりの勢いにドルの優位性が揺らいだほどだ。

だがそんなユーロもギリシア危機で正念場を迎えている。
発端は財政赤字の隠蔽から始まったものだが、それがヨーロッパ全体に飛び火していった。
ギリシアの国債の多くは、海外の銀行や投資家によって買われている。
もしそれがデフォルトすると海外の金融機関が混乱に陥り、ひいてはヨーロッパの混乱につながってしまうのだ。
一応各国の政府の助け舟で、デフォルトはなくなったが、それでも市場の動揺は収まらない。
なぜならユーロの致命的な欠点が露呈したからだ。

今回の騒動で、ユーロ加盟国の財政危機が起こると、ユーロが不安定になることが判明した。
それに財政に不安を抱えている国はギリシアだけでない。
財政赤字が大きいイタリアやベルギーをはじめ、外資に大きく依存しているスペイン、ポルトガル。
目に見えているだけでこれだけの不安材料があるのだ。

この現実を理解している投資家は、これからユーロ関連の投資を行うだろうか。
少なくても産業革命クラスの大躍進がなければ、立ち上がれないだろう。
いや、そもそもユーロ自体存続できるか非常に危うい。
財政危機になるたびに通貨が揺らいでいては、経済活動に専念できないからだ。
するとユーロ脱退ということもありえる。
それがないにしても、10年単位で考えて、ユーロが活躍するとは思えない。


ユーロの時代は終わった。
これから繁栄することは難しいだろう。
むしろユーロは2010年をもって衰退していくと思われる。

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