小さな出来事の積み重ねを語るブログ

2010年5月21日金曜日

韓国の哨戒艦の沈没事件からみる極東の情勢

韓国の哨戒艦が沈没した事件で原因が発表された。
沈没した艦隊に魚雷の破片あったということで、北朝鮮による攻撃と断定。
多くの船員が亡くなったので、韓国側の怒りがすさまじいと聞く。

なぜ北朝鮮がこのような攻撃したかというと、国内世論を外に向けるためである。
今の北朝鮮の国民は、食糧不足や貨幣改革の失敗で疲弊を極めている。
もしこのような怒りが中央政権に一斉に向けられたら、独裁政権が崩壊する可能性があるのだ。
そのような批判をかわすために攻撃したといわれている。
また国境の銃撃戦で韓国軍に負け、面子を大きく失った軍関係者が、信頼を回復するために行動したとか・・
いずれも憶測に過ぎないのだが、理由としては十分考えられる。
しかし今回の事件はひとつの出来事の枠を超えて、周りに多くの影響を与えた。

まず韓国と北朝鮮の友好関係に大きなキズができた。
21世紀のはじめに両国は親交を深めようと、資本や市場の開放などの努力で接近した。
その効果は著しく、一部では南北統一の声が聞かれたほどだ。
そんな努力を軍事行動の一発で、すべてが無になった。
現在、韓国側は北朝鮮で展開している資本の撤収などを検討しているという。
また韓国の世論で、報復すべきという声が一部で出ている。
朝鮮半島は、近年にはない緊張状態が生まれているのだ。
もしかしたら、南北戦争に発展する可能性も出てくるかもしれない。

しかし困ったことにこの問題、朝鮮半島だけに留まらない。
もし戦争という流れになれば、日本も巻き添えを受けてしまうのだ。
なぜならば日本にいる、アメリカ軍が黙っていないからである。
戦闘が開始されたらアメリカ軍は、北朝鮮に攻撃することになるだろう。
すると北朝鮮は、日本から沸いてくるアメリカ軍に注目すると思われる。
となるとアメリカ軍に協力している日本も、敵とみなす。
このような流れで、日本も北朝鮮の攻撃を受けると考えられるのだ。
アメリカ基地にめがけてくるミサイル、日本に潜伏している工作員の破壊工作。
これらが現実のものになるかもしれない。

また北朝鮮と国交を結んでいる、中国やロシアも関与してくると考えられる。
もし仮に北朝鮮が攻撃を受けるようであれば、助け舟を与えることもある。
するとアメリカとの関係が急激に悪化して、大きな問題に発展するのではないだろうか。
戦争がないにしても、複雑な立場に立たされるのは間違いない。

以上のシナリオは、妄想に近いレベルだったかもしれない。
しかしアメリカの力が衰えている中、このような出来事がありえないわけではないのだ。
それだけ極東地域は不安定要素を抱えている。
今後の動向は不明だ。

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