小さな出来事の積み重ねを語るブログ

2010年6月2日水曜日

鳩山首相辞任からみる本人の苦悩

日本はストレス社会といわれる
叱り飛ばす上司に、迷惑をかける部下。
ノルマの重圧やリストラの心配。
また家族を持てばそれらのケアもしなければならない。
つまりどこに行っても、常にストレスに付きまとわれる。
こんなことになると愚痴の一つや二つが出てくるだろう。

では少し視点を変えてみよう。
この世の中でもっとも愚痴を言いたくなる職業はなんだろうか。
いろいろあるかと思うが、私は断然に日本の総理大臣だといえる。
なぜか?

これはどんな組織にもいえる事だが、通常、上の立場やリーダーになれば重圧がかかるものである。
成果を出していかなければならないし、下の人たちをよく見ていかなければならない。
また自由な時間が少なくなったり、発言にも気をつけなければいけない。
とにかく多くの制約を受けるものなのだ。
これだと多くのストレスを抱えてしまうだろう。
特に組織がまとまっていない会社の上司は、間違いなく部下よりストレスをためているものだ。

でもその中で総理大臣は、飛びぬけてストレスがたまる立場である。
日本全体の平和や発展を考えながら、激務に振り回される日々。
日本のトップという、のしかかる重圧。
また日本を動かすために、様々な教養・知識が求められる。
そして発言や振る舞いにも気をつけなければならない。
これだけでも大きなストレスになるのに、まだストレスの元になるものがあるのだ。

それは首相は日本のために、身を犠牲にして働いているにもかかわらず、メディアのバッシングがあるのだ。
マスコミはどうでもいいことを揚げ足とって、批判を延々と繰り返す。
テレビや新聞、雑誌、ネットなど何所を見ても首相の悪口が書かれている。
これではさすがに疲れてしまうだろう。
また愚痴をこぼす相手がいないのもつらい。
それを軽々しく公言すれば、それを弱みにして付け狙われるし、やがて疑心暗鬼になる。

鳩山由紀夫はこれらの悩みを抱えていたはずだ。
偽装献金事件、指導力の欠如、小沢氏問題、普天間問題など枚挙の暇もない。
これだけ叩かれるとさすがに身に堪えると思う。
就任当初はハツラツとしていたが、いまでは目にクマができるほどの心労ぶり。
そして参院議員選挙を前に、同士からも批判の声
これではもう日本を動かすことが、もはや出来ない。
鳩山首相の命運は実質尽きてしまったのだ。

本日付(2010年6月2日)で鳩山由紀夫は辞意を表明した。
私は個人的に、彼をよい首相だとは思わなかったが、本人の苦悩は同情できる。
日本国民はせめて、この人をねぎらってほしいものだ。

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