小さな出来事の積み重ねを語るブログ

2010年4月21日水曜日

中国大地震(青海省)の最大の敵は高山病!?

2010年4月14日に中国の青海省で、マグニチュード7.1の大地震が発生した。
そこはチベット自治区で、標高が3700メートル以上の高地である。
多くの建物が倒壊し、被災者も多数でた。
そして今現在、けんめいに救助活動が行われている。
だが人命救助が難航を極めているという。
GDP世界3位の中国がどうしてかと思うだろう。
その理由として2つある。

1.アクセスがとても悪い
今回被災した場所は中国の内陸部に位置し、きわめてへんぴなところにある。
被災地に通じる道路が、どの場所からさがしても一本しかない。
しかも道路の状態は悪く、人員や物資の大量輸送はできない。
このような事情で救助活動に必要な資源が不足している。
今も手作業で瓦礫をどかしているのだ。

2.高山病
テレビや新聞でも盛んに報じられていると思う。
被災地の標高は富士山より高く、空気が地上の3分の2しかない。
地上からいきなり高地に行くと、多くの人は高山病になってしまうのである。
いったん高山病になると作業の効率は大きく落ちる。
頭の回転が鈍るし、力も入らなくなる。
となると救助隊員が悪戦苦闘するのも容易に想像できる。
実際に多くの隊員がダウンしている。

これだけニュースになっても、多くの人は高山病のイメージがわかないかもしれない。
事実、これは山に登らないとその苦しみはわからないものである。
私は登山をしているので高山病の経験があるが、とても苦しいものだ。
激しい頭痛に加え、吐き気や目眩、動くのがやっとである。
日常に例えると酒を飲みすぎて、激しい頭痛になるようなものだろうか。
そんな状態でほとんどの人は、動き回ったり肉体労働はしたくないはずだ。
でも救助隊員は不眠不休で作業を強いられている
当人からみれば地獄の苦しみだろう。
私も高山病になったとき、一歩が千里の道のりに感じられたほどだった。

では高山病にならない方法はあるか?
それは一気に高地に登るのではなく、少しずつ登ることである。
体を順応させるのだ。
また加えて、十分な睡眠や水分を取るのと高山病の被害はだいぶ軽減する。
しかし多くの救助隊員は、強行軍で現地に向かうので、どうしても高山病になる。
それにいったん高山病になったら、下山するしか対処法はない。
それ以外は、現地でどんな処置を施しても、直ることはない。
最悪、死ぬこともありえるのだ。

高山病はまことに厄介な敵なのである。

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